新客殿・施薬殿建立記④

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◆仮本堂はコンテナハウス

img_0973 今回の仮本堂はプレハブで…ということでした。しかし場所と費用が予想以上に掛かるので断念しました。

かといって、部屋は無いし、野ざらしってわけにもいかない。

苦肉の策として友人に頼んでコンテナハウスをレンタル。2m×4m四方の現場事務所に使うアレです。

 

img_0977 そこに簡易畳を敷いて壇を組み、仏さま(誰も気付かないが秘仏も一時安置)を祀りました。

これが結構こじんまりして良い感じ。この状況を見た友人(レンタルしてくれた土木業者)は「いつもは長靴のおっさんの巣窟なのに…こりゃ立派じゃのぅ! コンテナ冥利に尽きるわい」と褒め言葉をくれました。

ただし、密閉度が高くお香を焚くとむせてしまいます。

 

img_1031 境内南側には作業小屋が組まれる。この組立から鵤工舎では職人自らが行ないます。

自分達の使う場所は自分達が作るのが一番安心出来るのだそうです。

それにしても見る見る内に出来上がっていく。


計算は役立たず…現場は経験と勘がすべて

〔H.16.012.12〕

10260 ここまで順調に進んできたが、ここで思わぬ難航が待受ける。

1つはコチラの確認不足で設置に立ち合う職人さんの手配が遅れたこと。てっきり家引き業者にお願い出来るものと勘違い。急遽、走り回りベテラン大工さんに依頼。

しかし、あまりにも時間がなく現場にての苦労は想像以上… それでも経験と意地で知恵を持ちより作業開始。

 

10249 そしてもう1つの苦労にぶつかる。基礎と建物が合わないのである。実測を重ねてきたが、移動によって歪みが出てしまった。

どこを芯に取るか…結局、現場合わせとなる。

 

10246 石工職人は本堂が頭上に来るまで基礎に潜って作業。ギリギリの日程で、本堂を真上に見ながら、緊張の作業。なんとか収まった本堂の補修工事。歪みを考慮しながら熟練の業が光ります。

一方、新客殿の基礎はグリ石を敷く作業、庫裡との取り合い部分は別の家大工が入り、境内には宮大工が小屋建て。

一度に4社も5社も業者が入り乱れ、境内に入ってくる車両をさばくだけでも大変。様々な地域の職人達の言葉の違いにも躊躇しながら新米現場監督(住職)は奮闘しました。