新客殿・施薬殿建立記②

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第4章:同じやるなら

8b8c8bab93e001様々な話し合いと研究を繰返し、ようやく「旧客殿を解体→新客殿新築案」に賛成の頂戴し動き始めました、その時「同じやるなら、伽藍整備を行なってはどうか」のご意見が出ました。これは以前から「高蔵寺はなぜか本堂が西向き」という部分から、「いっそのことなら本堂を南向きに配置すべきでは」という意見でした。伽藍で最も重要なのは『本堂』です。まずは本堂から…これが本来の考え方です。今回の新客殿の新築を旧客殿位置に建立するのではなく、本堂を南に向け、旧客殿跡に配置する。そして現本堂位置に新客殿を建てる。そうすることで、本尊の威光倍増、本来の伽藍配置の復活…そして将来(次世代への課題)、本堂の拡張も可能となるわけです。

高蔵寺本堂は護摩壇を中心に配した様式で大変現在では大変手狭です。客殿新築に苦労を要している状態の視線ではなかなか余裕はありませんが、新客殿が現客殿の位置に建ってしまうと今後伽藍整備をすることはほぼ不可能となります。ならば…将来(途方もない先の話ですが)を見据えた伽藍整備を含めた計画をまとめることになりました。


第5章:事業計画まとまる

全ての計画を視野を拡げたものにしたため、ご理解を頂く為には時間が掛かりました。しかし様々な方々の応援のおかげで、平成十六年秋着工、平成十八年春落慶の予定でいよいよ動き出しました。大きな流れは以下の通りです。

  1. 旧客殿解体
  2. 旧客殿跡に本堂基礎を打つ
  3. 本堂を移動
  4. 本堂跡に新客殿基礎を打つ
  5. 新客殿建立
  6. その他獲り合い工事
 伽藍整備図(クリックで拡大)

伽藍整備図(クリックで拡大)

この稀にみる大事業に「ただ伽藍を整備した」という形で終わるのではなく、本来の伽藍の意味、木造建築の必要性、仏の住まいとしての寺院、建設に伴う神仏の行事など生きた布教伝道の場としての役割も大きく、出来る限りを伝え弘める勤めが住職としての使命です。