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高蔵寺『大護摩壇』浄財勧進

それぞれの節目を迎えて

もうすぐ開創400年……

大護摩壇は本堂の心臓部

当寺はもうすぐ開創400年を迎えます。そして第16代天野高雄(こうゆう)が今年晋山(在歴)30年の節目に当たります。それを機に長年懸案だった大護摩壇の修復に着手することになりました。

現世利益(げんぜりやく)のお寺として信仰を集めてきた当寺の本堂が「護摩壇様式」の荘厳です。その本堂の中心にある護摩壇は高蔵寺の「心臓部」といっても過言ではありません。

その護摩壇に今から約10年前、連続で護摩の修している際に壇と釜に異常が見つかりました。

木材部分は長年の熱と炎で炭化してしまい、重い釜を奇跡的に支えているという状態でした。過去にも補修したような形跡もありました。


表面の銅板部分。銅の劣化が見られます。

裏面の木造部分。深刻な炭化が進行していました。

慌てて仮壇を発注して現在に至ります。この仮壇は宮大工・鵤工舎様によるもので「旅壇具(たびだんぐ)」という珍しいものです。総檜造りの白木仕上げ、手軽に解体できる細工が施され、持ち運びが出来るという工夫がされています。これ自体が仮というにはもったいない壇なのですが、やはり当山に伝わる「大護摩壇」をそろそろ修復しなければ! という願いが再燃してきたのでした。


白木の素壇。立派な造りですが仮壇です。

護摩壇は基本木材と釜、そして天板には銅板が使われます。
長時間の護摩修行に熱伝導と炎の反射を適度に抑えるためなのですが、近年になり銅板が不足してその代わりにステンレス材を使うようになりつつあります。

今回の護摩修復がここまで遅れてしまった原因の一つに銅板と金箔の確保が挙げられます。そしてすべての物価高騰の中、この貴重な材料の価格も大きく跳ね上がってしまいました。これ以上、先延ばしにすると材料確保も難しくなるという現状を踏まえ、今回の『大護摩壇修復』を決心した次第です。


蓮弁の金箔も剥げています。
闕(ケツ)という結界の柱の一部は腐食し始めています。
金箔の下地の漆も傷み、彫りも甘くなっています。

ご浄財をお願い申し上げます。

つきましてはこの機会に皆さまのお力をお借りして、伝統ある大護摩壇復活を無魔無事完成させたい所存でございます。何卒、ご理解ご協力をよろしくお願い申し上げます。医王山 高蔵寺 天野高雄
 

【目標金額:200万円 締切:令和6年5月末日】